保育士の平均給与、平均年収
保育士を人材不足にしている最大の原因が給与待遇の低さです。
長らく明るみには出て来ませんでしたが、保育士の給与は非常に低く、また長く勤務をしても給与がほとんど上がらないという特長があります。
保育士全体の平均年収は300~340万円程度で、これは月額に換算すると約21万円、ボーナスとして年に2回60万円程度受け取った場合の計算です。
注目をしたいのが若い20~24歳の保育士で、平均年収はなんと179.6万円、月額では11.2万円という非常に低い水準になっています。
年齢別に見ていくと最も高いのは50~54歳の保育士ですが、それでも平均年収は378万円と民間企業の水準で比較をするとかなり低いと言えるでしょう。
月額11万円足らずという給与は、都内などの物価が高い地域では家賃だけですべてなくなってしまうレベルですので、続けたくても続けられないという保育士さんがいることも頷けます。
公立の保育所であれば地方公務員の給与体系により、年齢が高くなることで上昇していくことも期待できますが、私立の保育所の場合は10年以上勤務しても初任給とほぼ一緒ということも珍しくありません。
インターネット上に実際の保育士の給与明細が掲載されるなど、この現状が表に出るようになってきたことで徐々に改善する動きも見られていますが、まだまだ職務に見合った年収になるまではかなりの時間がかかりそうです。
給料を上げる方法
平均年収がかなり低い保育業界ですが、勤務場所によってかなりの差があります。
公立ならばその都道府県内どこに勤務をしても給与が極端に異なることはありませんが、私立では待遇がかなり違ってきます。
保育園にもいくつか種類があり、大企業が運営しているところもあれば、小さな地元に密着した保育所もあります。
一般的な傾向として大企業の保育士の方が高い月収になっていることが多く、平均年収が100万円近く違うケースもあります。
特にボーナスがきちんと出るかどうかが大きな差になってきますので、求人を選ぶ時には過去の賞与実績や福利厚生面に注意をしておきましょう。
もし給与の低さに悩んでいるなら、転職をしてみるというのも一つの方法です。
大企業の保育施設や、企業内保育所などでは経験のある保育士を優先して採用しています。
ですので中小規模の保育所で実績を積み、そこから転職をすることにより、より待遇のよい保育所に勤務をしていくことが可能です。
また都道府県により保育士需要が異なるので、別の地域に行くことで給与待遇を良くすることができます。
保育士の平均年収が最も低いのが北海道で283.5万円であるのに対し、最も高い東京都では441.0万円とかなり大きな違いになっています。