問題になる保育士の待遇の低さ
保育士の求人が常に数多く出されていることの背景には、保育士として勤務していくことの難しさがあります。
新卒など若い人材が希望を持って就職をしてきても、その後の業務上負担があまりにも大きいために離職を選択して、保育業界から離れてしまうということも珍しくありません。
保育士の離職率は、厚生労働省の調査によると約10%です。
特に私立の保育所での離職率が高く、12%程度にまで上がります。
これは公立の保育所は地方公務員という立場になるため給与体系がしっかりしており、昇給や待遇が比較的安定しているということが関係しています。
ですが人気の高い公務員という立場にあっても離職をする人が多いということも実態としてあり、勤務の内容に対して賃金に公平感がないということは保育業界全体に対して言えるでしょう。
実際に離職をした保育士を対象にしたアンケートでも、約半数近くの人が「賃金が希望と合わない」という回答をしており、給与待遇の改善こそが優秀な保育士人材をつなぎとめるためのポイントになってきます。
人間関係が難しい職場
どこの職場でもありますが、人間関係がこじれてしまうと働く意欲は一気に低下をしてしまいます。
保育士業界での男性割合は徐々に増えてきてはいますが、まだまだほとんどが女性保育士で占められており、保育所内で勤務をするスタッフが全員女性というところも珍しくありません。
女性が多い職種にありがちなのがグループができてしまい、そこから対立が起こるということです。
円滑な人間関係ができれば良いのですが、近年では仕事量が増えて厳しい環境に置かれることが多くなっていることもあり、それが人間関係の不和になってしまうことがよくあります。
新人でなかなか仕事が覚えられない人や、仕事のペースややり方が異なる人がいるとそこで深刻な対立になることが多く、結局対立したいずれかが退職してしまうという事もあります。
子供と一緒にいる時はいいけれど、スタッフや保護者と接することが苦痛で仕事が続けにくくなったという人もかなりの数にのぼります。
女性にはつらい?おしゃれができない
もう一つ地味に保育士の仕事を大変にしていることとして、おしゃれができないということがあります。
保育士の仕事をするときには、子供と一緒に体を動かすということもあってパンツスタイルにシャツなどが中心です。
それと子供のためにかわいいエプロンを着用することが多く、なかなか普段からおしゃれをするということができません。
化粧やアクセサリーも禁止という職場が多いので、長く勤務をしていくうちに次第に老けた見た目になってしまったという悩みも聞かれます。